従業員の数が50人未満の会社はストレスチェックは努力義務としています。努力義務だから、「しなくていい」のでしょうか?私が関係している取引先の50人未満の中小企業の人に話を聞くと、「関係ない」と思っている人が多いです。そこで、従業員数50人未満の企業でもストレスチェックを実施するメリットを調べてみました。

努力義務でも安全配慮義務の観点から実施が望ましい

従業員50人未満の会社は、当分の間は努力義務となっていますので、ストレスチェックを実施しなくても良いとされています。

でも、会社で働いている人の半分以上が強いストレスを感じているという結果がありますし、一人で抱えてしまいメンタル面の不調を訴え、療養することになってしまう社員も多くいます。長時間労働だけではなく、精神疾患などのメンタル面でも会社は安全配慮義務を果たす義務があるとしています。そのため、従業員の規模に限らずストレスチェックを行なうことがメンタルの不調を未然に防ぐための方法でもあります。

ストレスチェックは、2014年3月の東芝事件の件が大きな影響を与えたと聞いています。会社は従業員の状態を把握した上で、適切な配慮をしないといけません。

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東芝事件は会社側の安全配慮義務違反を問われた判例

東芝の従業員が、うつ病を発症して休職し、休職期間満了により解雇されました。うつ病発症は業務 に起因するから当該解雇は無効である等として雇用契約上の地位を有することの確認を求めるとともに、 安全配慮義務違反等による休業損害や慰謝料等の損害賠償等を訴えた事件です。

東芝は、従業員が精神科に通院していることを会社および産業医に申告しなかったため対応できなかったとしていますが、最高裁では「労働者が会社に自身の疾患を伝えていなくても、使用者は健康に関わる労働環境などに十分な注意を払うべき安全配慮義務があるとし、従業員の主張が認められました。

詳細は、「東芝(うつ病)事件」を読むと詳しく内容を知ることができます。

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ストレスチェックを実施するメリット

東芝事件の内容から分かるように、会社側は従業員からメンタルヘルスの不調の訴えが無くても、従業員の状態を把握したうえで、適切な配慮をしないといけません。

「従業員が言わなければ知らない」では、会社側は済まされないということです。安全配慮義務を企業が果たすための手段の1つが、このストレスチェックという訳です。

ストレスチェックを実施することのメリットは次の4つではないでしょうか。

  1. 職場環境の改善で社会や従業員からの信頼を得ること
  2. データ分析と効果測定で問題の洗い出しと改善でメンタルヘルス不調者などの削減
  3. 休職や退職者数の減少で経済的損失を防ぐ
  4. 人材の流出を防ぐのと、法令遵守している信頼感から人材確保につながる

私の働いている会社で思うことは、みんなが辛い顔をして働いている人が多いということです。職場環境を改善し、従業員の笑顔が増えれば明るい職場になると思いますし、退職者の減少や採用もしやすくなるのではと思います。

 
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