会社で働き始めると色々とビジネスマナーを知っておく必要があります。新入社員が配属されて驚いたことがあります。それは、都道府県庁や市区町村から届く書類や取引先からの資料の中には返信用封筒が同封されていることがありますよね。その返信用封筒には「ビジネス株式会社 営業部 行」と書かれており、この「行」の訂正の仕方、消し方、様と御中の使い分け方を知らないのです。
新人に聞いたら、7割の人が知らないという結果にビックリしました。メールやLINEなどのSNSを使っているからでしょうかね。
そこで、新入社員向けに返信用封筒の行を御中や様に訂正するときの消し方と使い分け方についてまとめました。
返信用封筒の「行」の間違った消し方
さて、新入社員に返信用封筒の「ビジネス株式会社 営業部 行」を正しく訂正・書き直すように言ったら、次のようなものがありました。
・何もしないで「行」のまま送る
・真っ黒に塗りつぶす
・修正ペン、修正テープで消す
・訂正線が1本や3本以上
・訂正線が真っ直ぐでない
・✕印で消す
これの何が違うのって思った人、これ全部消し方としては間違っていますからね。
こちらで研修用に作成した「ビジネス株式会社 営業部 行」の封筒をみて、「何これ、行って何?」という声もありました。手紙や書類のやり取りが少なくなったこともあり、返信用封筒の「行」というのを見たことがないという人も多くいました。そのため、「行」の消し方を知らない人が取った間違った消し方を箇条書きで紹介しましたが、如何でしょうか。あなたも、こんな間違いしていませんか?
いずれの方法もビジネスマナー違反であり、相手に対して失礼な対応になってしまいますので正しい消し方を知っておきましょう。
返信用封筒の「行」の正しい消し方・訂正の仕方
返信用封筒の「ビジネス株式会社 営業部 行」の「行」の正しい消し方はいくつかあります。また、返信用封筒に書かれている宛名が、縦書きのときと横書きのときでも消し方・訂正の仕方に違いあります。
会社宛や部所宛のときの返信封筒は「行」で書かれ、個人宛の返信用封筒は「宛」で書かれてくることもありますが、「宛」のときも「行」と対応は同じです。
縦書き封筒のときの消し方
宛名が縦書きに印刷されている封筒のとき、「行」の消し方・訂正の仕方は2通りあります。
・縦に二重線を引く
・右上から左下への斜めの二重線を引く
封筒に書かれている宛名が縦書きのときの「行」を消すときは、縦か斜めの2本線で消します。線を引くときはフリーハンドではなく定規などを使って真っ直ぐに線を引くようにしましょう。
横書き封筒のときの消し方
宛名が横書きに印刷されている封筒のとき、「行」の消し方・訂正の仕方は2通りあります。
・横に二重線を引く
・右上から左下への斜めの二重線を引く
2通りを紹介しましたが、一般的には横に2本線を引いて訂正する消し方を使っています。斜め線でもビジネスマナー違反になることはありませんが、いずれにしても、消していることがはっきりと分かるように消すこと、真っ直ぐな線で消すことです。
「行」を「御中」や「様」に書き直すときの使い分け方
新入社員に返信用封筒の「行」を訂正してもらい、書き直すまで行なってもらったら次のような書き換えを行っていました。
・ビジネス株式会社 営業部 様
・ビジネス株式会社 営業部 各位 様
・ビジネス株式会社 営業部 各位 御中
・ビジネス株式会社 営業部 山田太郎 御中
・ビジネス株式会社 営業部 御中 山田太郎 様
・ビジネス株式会社 営業部 山田太郎 殿
・ビジネス株式会社 営業部 山田太郎 御中 様
・ビジネス株式会社 営業部 山田部長 様
・ビジネス株式会社 営業部(行を消しただけ)
赤字の部分が間違っています。「様」・「御中」・「殿」・「各位」の使い方や使い分け方を知らないことが良く分かりました。でも、これが現実なんだと思い、1つ1つ覚えてもらうしかありません。
・「様」と「御中」を併用してはいけない
・「殿」は使わない
・「様」や「御中」の敬称を付けない
・「各位」は複数の人に対して宛てるときに使う
という点に注意しないといけません。
「様」・「御中」・「殿」の使い方や使い分け方
ビジネスマナーとして「様」・「御中」・「殿」の使い方を間違えると相手に失礼になりますし、社会人として常識を知らないと思われてしまう結果になってしまいますので、正しい使い方と使い分け方を覚えておきましょう。
・個人名宛であれば「様」
・企業名、会社名、部所名宛であれば「御中」
を使う必要があります。
「殿」は、目上の人が目下の人に対して使う言葉なのでビジネス文書では「様」を使います。意味や使い方を知ったうえで「殿」を正しく使うのであれば問題ありませんが、「様」で統一しておくほうが間違いがなく良いです。
「様」・「御中」を書く場所
「行」の消し方・訂正の仕方が分かり、「行」を書き換えるときは「様」と「御中」を使うことも分かりましたよね。では、書き換えるときに「様」や「御中」をどこに書いたらいいのかをお伝えします。
書き込む位置にビジネスマナーはありませんが、一般的なマナーとしての場所を紹介します。
縦書きのときに「様」や「御中」を書く場所
縦書きに宛名書き封筒されている「行」を訂正して、下または左側に「様」や「御中」を書き込みます。下側に余白がなく文字が入らないときは左側に書き込みましょう。書き込むとき、消した「行」から離れた場所に書くとバランスが悪いので、すぐ下または左側に書くようにしましょう。
横書きのときに「様」や「御中」を書く場所
横書きに宛名書き封筒されている「行」を訂正した右横または下側に書き込みます。書くときは、バランスを考えて書き込むことが大切です。あまり離れ過ぎているとバランスがよくないので写真のような位置に書き込むといいです。
あとがき
就職活動をしているときや、アルバイトをしているときなどに返信用封筒を使って郵送するときに常識として知っていることと相手は思っていますから、変な訂正や消し方や様や御中の書き方などが違うと常識を疑ってしまうということもあります。また、ちょっと調べれば分かることを調べないまま、分からないままやる人だと思われてしまいます。
ちょっと調べれば分かることをやらないのは、とても損ですので分からないことは調べるということをするようにしましょう。