入社式の式次第に「保護者代表挨拶」の項目があることがあります。「ええっ?!入社式に親が参加するの?もう社会人だし、入学式じゃないんだから恥ずかしい」、逆に「親と一緒で心強いかも」と思われる方もいるのではないでしょうか?実際に入社式に親が参加することや、また会社側から親の参加を推奨していることもあるようです。それは何故か。親が参加する理由や会社が推奨する理由はどういったことがあるのでしょうか?
新入社員(子供)は親の参加をどう思っている?
「入社式に親が同伴とか恥ずかしくてとんでもない、過保護と思われる」と考える方もいれば、「親に会社や仕事を知ってもらっていい機会」「晴れの舞台を見せてあげれてよかった」と実際に親参加の入社式後に語っておられる方もいます。
良い方・悪い方、捉え方は様々ですが、意外と今の若い世代は、いい方に捉える方が多く、親に「ちゃんとした会社に就職できた」といこうことを伝える機会として違和感なく受け入れられているようです。
親(保護者)が参加したい理由とは?
子供の成長を実感できる儀式(小・中・高・大学などの入学式や卒業式)は親にとって特別な時間です。入社式もその延長で、社会人になった立派な姿を見たいというのが本音ではないでしょうか。
ただ、普通は親は参加しないものと思っておられる方もいますし、もし招待状が届いたら、どうしようか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。欠席した場合に子供の評価が下がってしまわないだろうか、など心配無用のことまで考えてしまいます(評価を悪くするような会社はないはず)。
会社側からみて親が参加するメリット
目的としては会社がどういった事業を行っているかを知らせたり、家族ともども会社のコミュニティーに参加してもらうことが重要と捉えていることが挙げられます。
また、実際に親から「入社式に保護者は参加できないのか」という問い合わせが年々増え、招待する形を取っていった会社もあるそうです。
では、会社にとっての一番の目的は何なのでしょうか?それは「中途退職を防ぎたい」といったことにつきると思います。せっかく新入社員から育てている社員が退職しては、会社にとって大きな損失になります。
ちなみに最近の離職率のデータでは平均離職率はこのようになっています。
(参考)
高校新卒の場合
・1年以内の離職率・・18.1%(平成27年度就職者)
・2年以内の離職率・・31.4%(平成26年度就職者)
・3年以内の離職率・・40・9%(平成25年度就職者)
大学新卒の場合
・1年以内の離職率・・11.8%(平成27年度就職者)
・2年以内の離職率・・22.8%(平成26年度就職者)
・3年以内の離職率・・31.9%(平成年25度就職者)
大学卒の方が離職率は低いですが、それでも3割以上が3年以内に辞めているという現実があります。
親に入社式に参加してもらうことによって、「親も期待している」ということを新入社員に見せ責任感を持たせる。更に言い方は悪いですが親を巻き込む、例えば子供が「会社を辞めたい」と言っても、親が「あんなに立派な会社なのに」などと家族の方から引き止めてくれることも期待できます。といったことが一番の目的ではないでしょうか。
会社のことを全く知らなかったら、子供の言い分を鵜呑みにしてしまうこともあるでしょうしね。
おわりに
入社式に親が参加しているのは、まだ一般的ではありませんが、行っているのは会社側から見て新入社員の退職を防ぎたいといった意図があるということを、調べてみたところでは感じました。
しかし自身・家族・会社の絆を深める機会であることは間違いないので、これからも親参加の入社式は増えていくことになるかもしれません。
入社式という社会人の第一歩を、家族とスタートするというのも賛否両論,受け取り方は様々ですが、私はいいことなのでは、と思います。これも時代の流れなのでしょうか。