みなさんお金を稼ぐために日頃働いてらっしゃると思いますが、給与と給料という言葉の意味の違いをご存知でしょうか?。殆どの人は「給与」と「給料」は普段同じ意味で使っていることと思いますが、でも言葉自体が違うのだから意味も違うのでは?とは思いませんか。社会人として知っておいて損はないし、特に経理などをされている方は知っておいた方がいいと思います。ということでどこが違うのか、また似た言葉で賃金・報酬なども調べてみましたのでご紹介します。
給与の意味とは
給与とは、所得税法上の言葉で
基本給・賞与・手当(残業手当・住宅手当・役職手当など)など会社から受け取るすべての報酬のことをいいます。
よって、指している範囲がかなり広いということになります。
そして給与は金銭のみではない場合もあります。
現物支給などの支給品も給与の一部
給与は金銭で支給されるのが普通ですが、例えば、飲食業界なら食事を出したり、小売業界や家電メーカーなど自社商品を割引で購入出来たりすることも「給与の一部」ということになります。
さらに、会社が社員寮旅行代を出してくれたり、家賃を払ってくれたりすることも現物給与といえます。
給料の意味とは
給料とは各種手当などを除いた毎月会社から支払われる
毎月支払われる定額の報酬=基本給(本給)のことをいいます。
定期昇給や春闘でベースアップしたというのはこの給料(基本給)が上がることを意味します。
ちなみに退職金がある会社ではその計算に給料(基本給)をもとに算出するので、給与が高いというより給料が高いとうことが重要です。
給与と給料の違いとは
上記定義に照らし合わせると、違いとしては
給与=給料に(基本給)に諸手当すべてを含めたもの
給料=雇用主が使用人に支払う報酬(毎月定額のお金。基本給)
ということになり、給料は給与の一部ということになります。
賃金・報酬・俸給・年俸の意味
雇用主から使用人へ支払われる金銭等の呼び方がいろいろあるのは何故でしょうか?
これは、使用される言葉が法律によって異なることによるものです。
給与は所得税法上で税金を計算するため、賃金は労働基準法で労働者の賃金を保護するため、報酬は健康保険法や厚生年金保険法で保険料を算出するために使用されます。
賃金とは
労働基準法によると、「使用者が労働者に対して労働の対価として支払うすべてのもの」となっています。
よって、毎月の給料や賞与などを含め幅広いものになり、給与と同じ意味合いの言葉になります。
俸給とは
国家公務員法で「俸給表」というのがあり、「俸給表」は国家公務員へ毎月支払われる基本給を定めた表のことをいいます。
一般会社員の給料と同じ意味です。
ちなみに地方公務員の場合は俸給と言わず、一般会社員と同じく給料といいます。
報酬とは
報酬については、健康保険法・厚生年金保険法などで使われる言葉です。
雇用関係にあるものにとっては、給与や賃金と同じ意味合いの言葉になり、労働の対価として支払われるものをいいます。
健康保険法や厚生年金保険法では保険料を決める基準として規定されており、臨時に受け取るものや3ヶ月を超える期間ごとに受けるもの(賞与など)は除くとされています。
役員報酬という言葉を聞いたことはありませんか?
何かいっぱい貰っているイメージだと思いますが・・・
法人税法上では役員報酬とは役員に対する給与で、賞与や退職給与以外のものをいいますが、
会社法上では役員報酬は給与・賞与や職務執行の対価として会社から受ける利益、など範囲が広くなっています。
同じ言葉で意味合いは同じでも、範囲が違ってくることもありますので注意が必要です。
年俸とは
年俸(ねんぽう)とは一年単位支払われる報酬のことです。雇用契約において労働の給与形態の一種です。
年末頃に新聞やテレビでプロ野球選手やJリーガーなどプロのスポーツ選手の契約更改のニュースで聞いたことがあるのでは?
自分はプロスポーツ選手や大企業の社長や役員の給与形態のイメージだったのですが、近年では年俸制の一般企業(社員)も増えてきたようです。
ただ年俸制でも労働基準法が適用され、年一括払いは認められず、年数回の分割払いで支払われています。
一括でもらって、すぐ全部使ってしますと次の給料日が一年後・・とかなったら目も当てられませんからね。
まとめ
給料や給与などの意味や違いを紹介してきましたが、なんとなくお分かりいただけたでしょうか?
給料は給与の一部ということ。
賃金や報酬など、どの言葉も労働の対価として使用されていますが、使用される言葉が法律によって違ってくるということ。(対価の範囲も多少変わりますが)。
普段の生活での会話では特に気にする必要はないと思いますが、もし聞かれた時に違いを答えられると一般常識のある社会人と思われるのでは。
また、会社の経理など専門職であれば業務上、知っておくべきかと思います。