歓送迎会の季節がやってきました。初めて乾杯の挨拶や音頭を頼まれてしまったが、「乾杯の流れがわからない」や「挨拶って何を話せばいいかわからない」と困っている方もおられるのではないでしょうか?歓送迎会の挨拶は普通の飲み会の乾杯ではないので、ちゃんとした挨拶が必要です。そこで乾杯の挨拶のマナーやポイント、挨拶の例文を歓迎会・送別会ごとに挙げてみましたので紹介します。
一般的な歓送迎会での乾杯の流れやマナー
乾杯の挨拶は一般的な会社だと役職が2番めに上位の方(役付が複数いる場合は3番め)が行います。規模や会社の慣習によっては司会(幹事)や最初に挨拶を行った代表者(出席者の中で一番役職が上の人)が乾杯の挨拶も行うこともあります。
全員に飲み物が行き渡るようにします
大規模な会場だと店の人など係の人が配ってくれますが、小規模な内輪だけの場合はお互いでグラスに注ぎます。
司会者(幹事)が乾杯の挨拶(音頭)をする人を紹介します
司会や最初の挨拶を行った人が乾杯の挨拶をする場合は紹介はしません。
全員がグラスをとります
紹介された人が立ち上がり(あれば)マイクのある位置まで行くまでの間に全員がグラスを持ちます。
大規模だと全員が起立しますが、小規模だと座ったままの場合もあります。
乾杯の挨拶をする人が挨拶をします。*挨拶の例文を別項目で紹介します
挨拶中はグラスは胸元より少し下の位置に持っておきます。
シャンパングラスのように脚(ステム)があるグラスの場合は脚(ステム)を持ちます。
ちなみに
シャンパングラスやワイングラスのような形態のグラスで、飲み物が入る本体をボウル・脚をステム・台座のところをプレートと呼びます。
日本では一般的にボウルではなくステムを持つのがマナーとされています。これは手の温度が飲み物に伝わって味や香りが変化してしますからとも言われています。
しかし、国際的にはフォーマルな場でもボウルを持つほうが一般的なようです。
乾杯の挨拶に続き乾杯の発声(音頭)をとります
挨拶をする人が、乾杯の発声(音頭)をとる前に全員のグラスに飲み物にが注がれているかをざっと確認します。
司会の人が乾杯の準備が出来ているか確認の声掛けをしてもいいでしょう。
準備が出来たら音頭をとる人が発声します。「乾杯!!」 全員「乾杯!!」となるわけですが、
音頭をとる人は全員の声が揃う必要がありますので、「乾杯」の前に「それでは皆様」や「皆様ご唱和をお願いします」などのようにタイミングを取りやすいような言葉を入れたほうがいいですね。
乾杯の発声の時は、音頭をとる人も応じる全員もグラスを目の高さぐらいまでかかげます。
注意点
シャンパングラスなど脚があるグラスは乾杯の時、近くの人同士でグラスと「カチっと」合わせて鳴らさないのがマナーです。
ビールなどを入れるコップ型のジョッキやグラスなら一般的なら大丈夫ですが、大規模な歓送迎会だとグラス同士合わさないことも多いようです。
グラスの飲み物を飲みます。
出来れば飲み干しますが、お酒が飲めない人などは口をつけるだけでも大丈夫です。
その後、一旦グラスを置いて拍手したりすることもあります。
そして司会より着席の促し及び会食や歓談への案内と続きます。
乾杯の挨拶でのポイント
乾杯の挨拶(スピーチ)をする場合に気をつけるポイントを紹介
新任者へは歓迎の気持ち、転出者には感謝・お礼の気持ちを込めましょう
迎える人へはこれから共にがんばっていくという応援の気持ちと不安を和らげる言葉、送り出す人へは新しい会社に勤めたり、定年後の新しい生活が始まりますので応援する気持ちの言葉も忘れずに伝えましょう。
話は適度に簡潔に行う
みんなグラスを持って話を聞いてますので、ビールの泡がなくなるほど長い話では流れが悪くなります。みんな次の歓談の時間(会食)を楽しみにしていますよ。
場が和むようなほっこりしたエピソードを入れる
職場の雰囲気のことや、送り出す上司との和むエピソードなど、あれば簡潔に入れると盛り上がることもありますが、長い話になるようなら入れないほうがよいです。
「乾杯」の前に「皆様ご唱和をお願いします」などの前置きをいれて全員のタイミングが合うようにします。
乾杯は全員の一体感や連帯感を出すという意味合いもあります「みんなで「乾杯!」と言えるように心の準備を与える必要があります。
乾杯の挨拶の例文
歓送迎会における主役は歓迎・送別される方ですので、その方たちの挨拶に時間をとるためにも、また乾杯の挨拶の後食事や歓談が始まりますので適度に簡潔に行う配慮が必要です。
歓迎会編
新任者(新入社員)を迎える場合
「只今、紹介にあずかりました高橋と申します。僭越(せんえつ)ながら乾杯の音頭をとらせて頂きます。
まずは、田中さん、池田さん、入社おめでとうございます。私たち◯◯会社としても田中さん、池田さんを迎えいれられたことを、本当に嬉しく思います。
慣れるまで大変だとは思いますが、一緒にがんばっていきましょう。また分からないことも多々あると思いますが、みんな仕事には厳しいですが人間的には優し方ばかりですので、何でも聞いて下さいね。
それでは乾杯の音頭をとらせて頂きますので、皆様ご唱和願います。
平成28年度新入社員の皆様のご活躍とご健勝をお祈りしまして乾杯!!」
新任者(異動)を迎える場合
「◯◯部の高橋と申します。僭越(せんえつ)ではございますが、ご指名ですので乾杯の音頭をとらせて頂きます。
新たに我々と仲間として頑張っていく田中さん、池田さん、◯◯支店へようこそ。
◯◯支店一同、田中さん、池田さんの異動を心から歓迎しています。これまでの経験と力を十分にこちらでも発揮して下さい。期待していますね。
また、みんな優しい方ばかりですので、分からないことがあれば何でも聞いて下さい。
◯◯支店の全員の力を合わせてがんばっていきましょう。
それでは田中さん、池田さん、◯◯支店の皆さんのご活躍とご健勝をお祈りしまして乾杯!!」
送別会編
転出者(定年退職)を送る場合
「僭越(せんえつ)ですが、ご指名ですので乾杯の音頭をとらせて頂きます。
退職される田中部長、入社当時から大変お世話になり、ありがとうございました。
田中部長には、長い間仕事のことを色々と教えて頂きました。田中部長から学んだことは私達にとってかけがえのない財産となるでしょう。
◯◯年間本当にありがとうございました。
それでは乾杯の音頭をとらせて頂きます、皆様どうぞご唱和願います。
それでは田中部長のこれまでの功績に感謝と敬意を表し、また今後のご健勝を祈念致しまして乾杯!!」
転出者(中途退職)を送る場合
「僭越(せんえつ)ですがご指名ですので乾杯の挨拶をさせていただきます。
田中さん、これまでお世話になりました。新しい職場に行かれましても、お体に気をつけてご活躍下さい。
それでは皆様ご唱和をお願いします。田中さんのご健勝とご活躍をお祈りしまして乾杯!!」
転出者(異動)を送る場合
「僭越(せんえつ)ですがご指名ですので乾杯の挨拶をさせていただきます。
田中さん、今まで大変お世話になり、本当にありがとうございました。
明日から同じ職場で田中さんのお姿を見られなくなるのは、とても寂しく残念ですが、ぜひ新天地でのご活躍を心よりお祈りしております。
それでは乾杯の音頭をとらせて頂きますので、皆様ご唱和をお願いします。
田中さんの今後のご健勝とご活躍をお祈りしまして乾杯!!」
転出者(寿退社)を送る場合
「僭越(せんえつ)ですがご指名ですので乾杯の挨拶をさせていただきます。
田中さん、この度はご結婚おめでとうございます。これまで大変お世話になりありがとうございました。
私どもも寂しくなりますが、ご結婚ということなので、笑顔で送らせていただきたいと思います。
それでは皆様ご唱和をお願いします。
田中さんの末永い幸せとご健勝をお祈りしまして乾杯!!」
注意点
転出者への挨拶ではつい「お疲れ様でした」という言葉を入れがちですが、目上の方に対しては「お疲れ様」というのは失礼にあたる場合がります。
近年は目上・目下の区別なく使われていることが多いですが、特に年配の方は「失礼」と捉える可能性がありますので、お疲れ様でしたというフレーズはいれないほうがいいでしょう。
おわりに
乾杯の挨拶も初めてだと緊張すると思いますが、歓送迎会は新入社員を迎えたり、お世話になった同僚や上司を送る大切な会ですのでしっかりとマナーと感謝の気持ちを持って挨拶に臨んで下さいね。
とはいっても感謝の気持ちが強いあまり挨拶は長くなってはいけません。あくまで乾杯の挨拶は短く簡潔にが基本です。それと挨拶後の「乾杯!」の音頭は大きくはっきりといいましょう。
思い出に残る歓送迎会になるように祈ってます。