ストレスチェック結果が「高ストレス」と判定された従業員に、「医師による面接指導」をどう勧めたらよいのか難しいところがあります。メンタルヘルスのことなだけに知られたくないと思っている人もいます。面接指導の規則や周知活動についてお伝えします。
面接指導の勧め方は労働安全衛生規則に定められている
高ストレス者にとって、会社には知られたくないことの1つだと思います。医師の面接指導を受けることでメンタルヘルス不調の事前予防につなげられることから、受けて欲しいと思います。
会社としては、強制的に受けるように言うことはできませんし、不利益な取り扱いをすることはできません。ただ、面接指導の申出を会社にすることで、自分が高ストレス者であることを知られてしまうという受検者の心理があるので慎重に対応する必要があります。
面接指導の実施方法については、労働安全衛生規則に定めがあります。
面接指導の実施方法等
第52条の16
3 検査を行った医師は、前条の要件(面接指導)に該当する労働者に対して、申出を行なうよう勧奨することができる。
ストレスチェック指針では、
7 ストレスチェックの実施方法等
(4) ストレスチェック結果の通知及び通知後の対応
イ ストレスチェック結果の通知後の対応
(ア)面接指導の申出の勧奨
ストレスチェックの結果、高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた労働者のうち、面接指導の申出を行わない労働者に対しては、規則第52条の16第3項の規定に基づき、実施者が申出の勧奨を行なうことが望ましい
医師による面接指導の勧奨方法
規則によると、実施者(医師・産業医)が面接指導の申出を勧奨するのが望ましいとしています。実施者から実施事務担当者を通して、会ってみるように勧めることができます。
- 勧奨方法としては、メールを使って伝えることができれば案内しやすいですが、電話や書面での案内になると難しい面があると思います。
- 産業医が面接指導を行なう場合には、他の人に知られないように会って、面接指導を受けてみることを勧めてもらうのが効果的だと思います。
産業医が実施者ではない場合、外部の医師が実施者になることが多いので、会社の実施事務担当者を通して案内を送ることになりますし、面接指導を受けるのに、実施事務担当者が調整して、他の人に知られないように医師のところに行ってもらわないといけません。
ただ、人事労務担当者や従業員が実施事務担当者を行なう場合には、知るはずがない従業員から面接指導の案内が来ると、なぜ知っているのか?ということを気にする人がいます。個人情報の守秘義務が発生しますが、会社には知られないと思っているので、この対応もしっかりと説明しておかないといけません。